日常系アニメの正体と最先端。そして2015年の決勝戦が始まる。そう長井龍雪監督アニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』公開まであと1日です
日常系というジャンル・言葉、が最も影響を与えたのはアニメだと勝手に思う
「ハルヒ」やら「けいおん」やらでアニメを観だした人も多かろうし間違いなく視聴者層の裾野を広げたのは日常系アニメと呼ばれる群だ
日常系アニメとはなんぞや?プロアマ問わず語りつくされる日常系アニメという言葉の定義は難しい(というか皆勝手に言ってるだけ)が、私的に
「誰でも見覚えのある所作から空気感を再現したアニメ」と表してみる
実写映像に寄せるイメージでもなく
アニメ的表現を排するイメージでもなく
アニメを見たことの無い人に伝わる文法で描くイメージだ
その意識があったからこそ視聴者の裾野を広げられたのだ
とはいえ、実際はこれはアニメで省略してきた表現(例えば毎日同じ服を着ているとか)を排して改めて毎日違う服を描いてみせる手間をかけてるわけだが
(毎日服を変えるのも含めて)リアルを追求したアニメ作品は過去からいくらでもあったものの、モチーフのディテールへの追及はあくまで単作のみで、誰も彼もが似たモチーフについて追求する流れにはならなかった
AngelBeatsにて岸監督がインタビューで「バンド演奏シーンのクオリティ競争に終止符を打つ」と語ったように制作現場が危機感を覚えるほどアニメ制作の方向性が良くも悪くもひとつにまとまったことにより日常系アニメ的表現力は質と効率化も含めて向上した
もちろんアニメーターが一斉に「日常描写たのしい!作ろう!」なんて思ったわけでも無く、売上げとかスポンサー要望とか企画受けとかそういった流れで方向性がまとまったわけだが。
とはいえ岸監督の言うとおりクオリティ競争は日常系アニメ的表現においてはほぼ終止符が打たれたと言っていい
これは作画リソースが尽きた(のもあるだろうが)というよりは、日常系アニメ的表現の追求を諦めて違う方向性を探っているのだろう
その今、日常系アニメ的表現を追求しているのは京都アニメーションの山田尚子監督
日常系アニメ最先端と言えるのは今年春放送された『響け!ユーフォニアム』の最終話だ
吹奏楽部演奏会当日の学生が味わう雰囲気を描いていた
特に演奏を開始するまでのAパートが凄すぎて、肝の演奏があるBパートは霞んでたくらい
たとえ吹奏楽経験者に限らずとも似た経験をしたことのある人はその思い出を強く想起させられたはずだ
……
おおまかにいえばストーリーはキャラクター描写を追いながらも視聴者自身のストーリー(過去、思い出)で完結するのを狙うことを日常系アニメが当面の目標と置いているのではあるまいか
この目標はおそらく『心が叫びたがってるんだ。』の長井龍雪監督も同じだと推測している
理由は次回(たぶん)
本記事は私の妄想ソースを基に誇張(飛躍)して書かれている
しかしそんな事はどうでもいい
この記事は『ここさけ』観ろってだけの話だ