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アニメ?ゲーム?語る?(仮)……というのはうそでほとんど東京ヤクルトスワローズの話ばかりするブログ

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【映画レビューその2】心が叫びたがってるんだ。慟哭してほしいし慟哭したい(ネタバレ有り)

長井龍雪監督最新作『心が叫びたがってるんだ。』について

↓昨日書いたレビュー(そんなにネタバレなし)

映画鑑賞後からずっとこの映画について考えていたのですが

大体まとまったのでネタバレ有りで再レビューします

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あくまで私にとっては……という感想ですが

結論としては良作映画ではあったものの長井監督作の中ではワーストかな、と。

 

ホントにね、凄い力のあるアニメ映画なんですよ

結構泣けるし、絵にも話にも説得力がある

 

 

 

 

でもね

ぶっちゃけ俺この映画に出てくるキャラクター全員嫌いなんですよ

だって大して不幸そうに見えないのだもの

 

 

例えば主人公成瀬順

おしゃべりが災いして父親の不倫を密告してしまったがために両親が離婚してしゃべることが出来なくなってしまった女の子

それ以来友人が作れていないという設定の様なので精神的に幼く、妄想癖が強いものの、素直で正義感がちょっぴり強い

母親には冷たくされていることもあって作中もっとも不幸な少女

……のはずなのだが

 

順が拓実に好意を抱いたのは一人で勝手に妄想で盛り上がってしまったのもあるんですけど、自分の言いたいことを理解してくれてなんでも受け入れてくれる拓実が王子様に見えてしまったのは仕方ないし自然に思える

ただ順が失恋するシーンは可哀想だとは思いますけど、そうはいってもあくまで片思いしていた期間は1ヶ月ですよ

たった1ヶ月の片思いで失恋と呼べますかね??(爆)

やはり最低でも1年間は恋患ってもらわないと同情できませんよ!そう思いませんか?

 

それに順には10年近くしゃべることが出来なかったことに対する怨嗟が無いんですよ

順の弱さっていうのは精神的な幼さばかりで

ミュージカル制作で他人と関わる事、坂上拓実への恋と失恋を通して精神的に成長することでこの問題は解決するわけです

そもそもの原因である不倫した父やしゃべれなくなるきっかけとなった母に対する恨みなんかは出てこないんですよ

これはラブホで拓実と言いあうシーンで「玉子のせいにしないと、どうすればいいのかわからなくなっちゃう」と叫んでいることから負の感情を自分で封印していたということが分かるのですけども

このとき拓実に対しては恨みつらみと好きだと言う気持ちを伝えるのに母親へは不満を直接ぶつけるシーンはない

ただ自分をモデルとしたミュージカルを上演することが母へ負の感情をぶつけてる部分はあるんですけど、順はミュージカルのラストで「すべてを愛してる」と歌って母を許しているんですよ

もう全部許せちゃったのかよ、と!

恋を知って愛を知るって事なのかもしれませんが、恋するシーンはあっても愛を知るシーンは無かったでしょうに……

これだとそもそもそれほど大きな恨みなど持ってなかったように思える。そして多分その通りのキャラクター設定なのだ

順は小動物的な動きが可愛いし、上映中は応援したくなるいい子だけども上映後に共感できないんですよ

ぶっちゃけ俺の方がよっぽど不幸じゃんって(爆)

 

 

泉(順の母親)というキャラクターも

順がしゃべれないせいで気持ちが理解できずに苦しんでいる

それなのに母の手ひとつで順を育てるために仕事が忙しくて娘に構う時間も無く精神的に弱っているために順に冷たく当たっているなか

ミュージカルを観て初めて自分の言葉がきっかけで順がしゃべれなくなったと知ったときにショックを受けるのですが、ラストの順の歌に救われて目に涙浮かべるわけです

終わりかよっ、と!

シナリオ上エピローグで母娘のシーンを入れない、という演出は分からんでも無いんです

あくまで高校生同士の関係が核ですから。

しかしそれでも

目に涙浮かべるレベルでは無く、号泣。

いや慟哭してほしかった!!周りの観客がドン引きするくらいみっともなく慟哭してくれれば俺は泉さんに共感できたのに。

大人はみっともなく泣いたりしないものなのか?娘が自分のせいで10年喋れなかったと知って、さらにそれを娘が克服し許してくれたのに声を上げて泣きはしないものなのか?

10年ぶりに娘の声を聴いても、さすがに慟哭はしないものか?

俺はいい年してたまに声を上げながら泣いてしまうのに(爆)

やっぱりしっかりした大人は違うのかもな

でもこの状況で大人の対応を見せられると好きにはなれない

 

 

坂上拓実について

そもそも観てて共感とか好きになるキャラクター設定では無いですからね

それでも俺は拓実は結構良い奴だと感じましたよ

順に勘違いされるほど順に構ったり、菜月にそっけない態度だった動機や理由もなんとなくわかるんですよ

順って小動物的で可愛いじゃないですか。色気を感じさせる場面もあるんですけどそういう時って大抵一人でいるシーンばかりで拓実といるときはハムスターなんですよ

だから観客同様に拓実も順を可愛いと思ったんでしょうね。小動物的に。ペット的な意味で。

菜月に対して順の話題ばかり話しかけてしまうのもペット自慢なんですよ

「成瀬は凄い」「成瀬は頑張ってる」って良く言うのですがこれって空恐ろしい

何故頑張っているのか、というのは知らないし理解しようともしない。

なのに凄い凄いといって持て囃してる。アスリートの打ち立てた記録に対して褒めてるのと一緒なんですよ。友人へ向ける賞賛では無い

だから順の恋心に気付かないのは当然で、それどころか同級生、同じ目標を目指す仲間という対等な関係という認識ですら無かったのでは?

積極性を持つ前の順を見てきた拓実にとって庇護対象でしかなかったから、ラブホのシーンで初めて一人の女の子というより同級生だったと気づいたのだと思います

 

菜月への感情は、両親の離婚以来閉ざしていた心が久しぶりに開いたので思い出したみたいな感じでしょう

つまりずっと好きだったわけじゃないんですよ。そういや俺こいつのこと好きだったな、みたいな

こんなのは片思い期間にカウント出来ませんよ。自室で悶絶してない時間はノーカウントです(爆)

 

酷い男だと書き連ねましたが冷血漢ではないんですよ

ピアノが掃除してあったことから祖母が自分に昔好きだったピアノをまた弾いてほしい、弾きたくなったときのためにずっと掃除していたという祖母の愛情に気付くような想像力がある優しい男なんです

しかし順にはペットを見る目つきの糞野郎

作画演出から声優の演技も含めてよくぞここまで複雑な人物を描いて見せたなと感心してます

拓実と言うキャラクターがいるからこそ、この映画が他とは違う印象を与えてる

俺は大嫌いですけどね(爆)

 

 

仁藤菜月は

キャラたってないから好きも嫌いも無いです

中学時代に拓実と別れて(自然消滅?)からも拓実に想いを寄せていたとかいうことですけど拓実への気持ちってどれくらいの強さの想いなのかちょっとわかりにくい

多分、潔癖ゆえに拓実を傷つけた負の過去を修正したくてずっと拓実を気にかけてた、気にかけてるから好き、みたいな感情の流れなのかなと予想してるものの

拓実への恋愛感情は既に消えているという設定の方が現実味が出た気がします

拓実と菜月が両想いでないと順に拓実を諦めずに再アタックするという選択肢が生まれてしまうので、シナリオの都合で菜月が動かされてると邪推したくなるので菜月もあんまり魅力的に感じないんですよね

 

 

田崎大樹は

野球部を甲子園に連れて行くくらい期待されてるエースなんですけど、肘を故障しているという絶賛挫折中のキャラです

これは、やさぐれ具合が良かったです

特に用事もないのに用事があるからと部活を休むも家に帰れず、かと言って行く場所も無く駅で時間を潰してる図は素晴らしい

この田舎のどこへも行けない閉そく感がヤバい

大樹への好感度は急上昇だ

 

しかし怪我があんなに早く治ってしまうなんて聞いてませんよ!!1ヶ月しか経ってないじゃないですか!!

インフルエンザにかかって練習出れなかったって言うレベルですよ

甲子園級ピッチャーがあそこまで後輩にボロクソ言われてるんですよ!?来年の夏季大会に間に合わないレベルの怪我だと思うじゃないですか!?

こいつは一体何をあんなに悩んでたのか理解に苦しむ

ファッション挫折だと批判されても仕方ないぞ

ついでに1か月後には練習に参加できるエースの大樹に対して消えてくれとまで言ったあの後輩君はなんなのか??

もしも練習には参加してもいいと医者に言われているが投げられるようになるのが夏季大会に間に合うか怪しいレベルの故障だったのなら、そう説明台詞を入れてくれれば良かったのに!!!!!!!!!これは許される説明台詞だろう!!!!!

 

大樹が順に好意を抱いたのは自然に思います

大樹にとって順の印象は積極性を身に着けてからの姿しか無いので見た目以上にタフな女性に見えたのでしょう

ラストの大樹の告白を順が受け入れるかどうかは分からないですけど、ファッション挫折だと知った後には応援できない……(爆)

 

 

 

 

と、まあ『ここさけ』のキャラクターってあんまり不幸そうに見えなくてそれでいて楽しそうにもふるまわないから応援したくならなくて俺は好きじゃないんですよ

あの花』のじんたんとか、小学生時代はクラスのリーダーだったが母親の死のショックから受験に失敗して引きこもりになってるという設定があるからこそ

めんまの願い事をかなえるべく頑張る姿が良いんですよ

自分でめんまのことを幻覚(イマジナリーフレンド)だと思いながらもめんまのためにポケモン(ノケモン)に興じる姿はあまりにもみっともないけど愛おしいじゃないですか!!

 

とある科学の超電磁砲』の左天涙子は、学業成績は悪いものの誰にでも奇策にふるまえて友人は多くて勇気があって運動神経は良くて家事スキルも大人顔負けといういかにもフィクションな万能人間なのに超能力の才能が無いというだけで、超能力絶対主義の社会であるがためにコンプレックスを抱える中学生という設定があるからこそ

思わず超能力発現のために違法電子ドラッグに手を染めてしまい友人にまで被害がおよんで思わず親友の初春に電話で「私っていらない人間なのかな」と泣きつく場面は泣かせるじゃないですか

 

あの夏で待ってる』の海人なんて結構拓実に似た(見た目だけでなく性格も)キャラクターで両親が既に他界してることもあって落ち着いてる人物なんですけど、(煩悩のためとはいえ)好きな先輩のためなら命をはったり、尽くしたりする姿を見せてくれるから

最終回で先輩と両思いなのに離れ離れになってしまい悲しんでいるだろうと仲間に心配されてもいつも通りの態度を変えずにいたのに思い出の8mmを上映すると涙を流してしまう姿に見てるこっちも熱いものが胸にこみ上げてくるじゃないですか

海人も順も一見似た一季節の失恋なんですけど、海人が常に8mmを回してるのは生きたあかしを残したいという思いを感じるからこそ海人はただ失恋したことに泣いているわけじゃない気がするんですよ

まあ2時間の映画作品と1クールのTVシリーズの情報量の違いと言ってしまえばそれまでなんですけどね

 

 

そんなわけで長井龍雪作品としては『ここさけ』はイマイチだという評価だけども

もう一度映画作ったら満足できる大傑作に仕上げてくれる気がするんです

だから俺の長井監督への信頼も期待も全く変わらず

むしろ次回作への期待が高まったくらいなんです

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は絶対面白いって知ってるから

確信してるから

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